第18回・・・3年目突入の今、思うこと


※ぶっちゃけた話、楽なので会見形式で。

−やはりこの半年間での最大の出来事は「キング・オブ・クイズ」ということになりますか?
そうですね。私が勝ったということじゃなくて、番組の誕生そのものがですよ。BSデジタルによって、視聴者がこれまでの「擬似勝負」から「実際の勝負」をするクイズ番組の形が出来た。これは凄いことだと思います。全く同じ条件で、何百人、何千人と勝負ができるなんて、ちょっと前までは考えられなかったですからね。

−今後はさらに「視聴者参加クイズ番組」が盛り上がることが期待できますね。
・・・そうとも言い切れないですよ。確かに、「双方向サービス」の中で「クイズ」という形式がしばらくは重宝されていくのは間違いないでしょう。だから、TVの前で参加する、という意味では盛り上がる可能性はあります。
でも、視聴者の代表がTVの中に登場する、という形式の「視聴者参加」は苦しいかもわからないですよ。

−前々回に書かれてた「リアクションを期待すると『芸能人の方が良い』という結論になってしまう」という話ですか?
ええ。それも1つです。プロには勝てないですよ、発声から違うんだから。で、実際に私も素の表情の方が、頭で考えたリアクションよりも強くなってた。
じゃあ、「一般人の素の表情を見せよう」という話なら、別にクイズじゃなくたっていいでしょう。現に、「ガチンコ」みたいなバラエティが流行ってるじゃないですか。私は好きじゃないけど。

−ただ、賞品や賞金を前にした素の表情は、また違うものがあるのではないですか?
それなら「しあわせ家族計画」でいい。あと海外でやってるみたいに、マンションで共同生活させて話し合いで1人ずつ脱落させて、残った人にマンションあげます、とかでもいいんですよ。下手したら「ウルトラクイズ」より面白いかも知れないな。

−そうすると、「視聴者参加クイズ番組」はどうなっていくのでしょう?
今後は、TVの中のタレントとTVの前の視聴者が闘うとか、そういう方向に活路が開けるんじゃないかという期待はしてます。ただ、そうなると高額賞金をウリにする番組があるかどうか疑問ですが。まあ、「TIME OVER」がそうした方向性を持った原型だろうな、と思って見てますよ。

−「ミリオネア」も「タイムショック」も改編を乗り切りました。HPでも「ミリオネア」の対策問題が何問かありましたが、今後「対策問題コーナー」を作る予定は?
えっ?対策問題なんて作ってないよ。そういうのは私の役目じゃない。もっと上手い人がいるでしょう。
そもそも「クイズ自体を楽しむ」という私の方向性と、クイズで勝利するための「対策」って考え方は相容れない。もちろん、今現在の視聴者の多くは「自分が出場して勝ちたい」と思ってるかも知れないし、それは悪いことじゃない。クイズに触れる入口としては正当な動機です。私の役目はそういう人たちに、「勝利」とか「賞金」とかを離れてクイズの面白さを感じてもらうことだと勝手に思ってます。

−そうすると、「ミリオネア」と同じ形式の問題の意図するところは何ですか?
前に書いたと思うけど、「並び替え問題」がもっとあってもいいのかな、と。番組では「早押し」になってるけれど、じっくり考えながら答える形式としても面白いよ、と。あと、こないだの「剣道の防具」の問題は、「早押し」でも「古い順」「早い順」「名前の順」とかだけじゃないだろ、という思いが込められてます。
「対策問題」なら「古い順に並べなさい」とかばっかり作ってりゃいい。でも、そうじゃなくて「対策」される部分以外にこういう面白さが潜んでいるんですよ、という問題を作るのが目的というわけです。
ついでに言うと、最近の短い文章の問題は「タイムショック」を意識してます。「キング・オブ・クイズ」は問題の質が良いし、「ミリオネア」もまあまあなんだけど、「タイムショック」はひどいよ。過去の遺産の一部を使ってるだけだもん。問題だけ聞いてたら再放送かと思う。

−最近HPに「クイズ界」がらみの文章が減ってきたように思いますが、なぜですか?
今はここに挙げてきたクイズ番組を含め、誰もがクイズに触れる場が「社会的に存在する」時代です。何千人がTVの前で「実際の勝負」までできてしまう時代なわけです。私の関心も「社会的な場のクイズ」に移っています。正直言って「社会的に存在しない」クイズ界は視界に入ってこなくなりました。

−そうすると今後の「クイズ界」がどうなるか、どうなるべきかということには関心がないわけですね?
はい、全く。もう、100人や200人の歪んだ価値観に影響を受けることなくクイズに参加することが可能なわけですからね。わかりやすく言えば「クイズ番組があるからオープンはいらない」という人がいたっていいわけですよ。その人がクイズに触れることに変わりはないわけだから。
そういう意味では、クイズ界が現在と変わらぬ価値観を持つ人達の集合体であってもいいでしょう。そういう中に自らの存在意義を見出す人も一定の割合でいるんだろうし。
また、そうじゃなくて、「クイズ番組」で「クイズ」に興味を持った人を大事にしていくんだ、というのであれば、その努力をしていけばいいわけですよね。もちろん、その中で私のHPとかBSQをヒントにしてもらうことは歓迎しますよ。

−BSQの活動も始まったんですよね?
はい。この半年で仲間内以外では2ヶ所に出張しました。いずれも「クイズ界」の人達です。おかげさまで好評でしたが、その後どのように広がっているかはわからないです。

−それでも、当初思っていたより反応が早いわけですから、21世紀中にスタンダードになる可能性はあるんじゃないですか?
いや、私が目指している所は遠いんですよ。例えば、今は一般的に、友達が4人集まった時に「麻雀やろう」とか「プレステやろう」とか「トランプやろう」というのはあっても、「クイズやろう」ってのは絶対にないですよね。そういう選択肢の中に1%でも「クイズ」というのが入りこむ状態が、私の言う「スタンダード」なんです。
だから、もっとクイズ好きでないゲーム好きの人にも興味を持って欲しいとは思ってます。BSQは「クイズ自体のゲーム化」ですからね。

−えーと、「追記」は・・・?
本当にすいません。書きたいことは結構あるんですが。「あの日」から阪神ファンをやめてメッツファンになったこととか。5月中には何とかしたいです。

−今後の「定例会見」の予定は?
正直言って、ささき君のHPが私のより早く立ち上がってたら、「定例会見」のメニュー自体必要なかったと思ってます。クイズ番組で学歴が紹介されることとからめて「クイズと受験の相似点(ある程度までは暗記で対応できるが、それ以上のレベルではプラスアルファが必要で、実はその部分に面白さがある)」の話を書こうと思ってたんだけど、それすら書かれてる。今回の前半の話もかなり彼の影響を受けているし。
番組に出たりしない限り、半年に1回だと思って下さい。

−では、最後に一言。
仕事が忙しくなって、更新ペースが遅くなるかも知れません。それでも、HPを休止させるつもりはありませんので、気長に待っていて下さい。こういう時代だからこそ消費される問題でなく、消化される問題を作り続けていきますので、今後ともよろしくお願い致します。

 

BACK  HOME