2007年8月のクイズ


〔はかないいのち さだめなの〕
●8月1日、阿久悠氏が亡くなられた。下は私の愛読書である。

●氏の幼年時代である1940年から、平成が始まる1989年までの「名歌」をほぼ年代順に、自身の作品も含めて100曲紹介している。
●私は世に出る人には2種類あり、それは「時代で売れた人」と「才能で売れた人」だ、と思っている。この本を読んで改めて思うのは、阿久氏は完全に前者だということだ。
●私自身は「才能で売れた人」を好むのだが、氏の作品にも好きなものはある。冒頭のタイトルに用いた「 1 」や、「また逢う日まで」、「あの鐘を鳴らすのはあなた」、「ジョニイへの伝言」などなど。昭和40年代後半の、氏がまさに「時代」をリードしていく頃の作品が多い。
●しかし、この後フォーク、ニューミュージック系の才能ある作り手が台頭してくる(ただし「時代で売れた人」も多く、吉田拓郎はその典型)。自ら歌うだけでなく、他人に提供する曲の作詞家としてもヒットを生み出し、評価が高まる。
●その頃の阿久氏の作品群は、時代の中心にいる人間に課せられた、新たな流行を作るための「コンセプト」作りの一環という感じがする。代表的なのはピンク・レディーの「SF路線」と( 2 )の「キザ路線」だろう。しかし、時代は彼を追い越していく。
●そして昭和50年代後半(あえて「80年代」とは書かない)。氏の作品は、時代に取り残されかけた世界観を描くものが多くなっていく。ジャンル的にも演歌系のヒット曲の割合が増える。「雨の慕情」「居酒屋」「北の蛍」・・・。
●以上のように考えていくと、この本で一番最後に取り上げられている氏の作品が昭和61年の「 3 」なのは、非常に象徴的である。しかも、この曲は売れなかったという。
●では、同時期に「時代で売れた人」は誰なのか。それは間違いなく秋元康だと思う。私の中ではこの2人は同じ系列に位置している。実は「 3 」の次、全体を通して最後に紹介されている曲は秋元氏の作品「 4 」なのだ。これもまた非常に象徴的だと思うのである。
●正直、平成に入ってからの阿久氏の言動(この本も含め)には、時代を引っ張り、動かし、そしていつしか忘れ去られた人間の哀しさがあった。そんな姿もひっくるめて、ご冥福をお祈りしたい。

Q.「 1 」に当てはまる曲名を答えよ。
A.白い蝶のサンバ
昭和45年の作品。氏にとって初の大ヒット曲。

Q.( 2 )に当てはまる歌手名を答えよ。
A.沢田研二
「思いきり気障な人生」という、全曲阿久悠作詞、大野克夫作曲のコンセプトアルバムもある。
私はこの路線の中では「サムライ」が最も好き。

Q.「 3 」に当てはまる曲名を答えよ。
A.時代おくれ
歌は河島英五。作曲は森田公一。

Q.「 4 」に当てはまる曲名を答えよ。
A.川の流れのように
文章から1989年の作品であることは推測できる、はず。


〔はかないいのち・・・ さだめなの?〕
Q.敗戦から5日後の昭和20年8月20日、ソ連軍に占領され、9名の女性電話交換手が集団自決を遂げるという出来事が起きた樺太の町はどこ?
A.真岡(まおか)
現名ホルムスク。南西部の港町。
旧道庁内に、彼女達に関する展示がある。


〔はかない希望〕
Q.銀行預金の利息1,000円に対して課せられる税金200円のうち、地方税はいくら?
A.50円
通常、20%課税で15%が国税、5%が地方税。
●8月利上げは無さそうですね、期待してたのに・・・。まあ、円高は訪米直前なので大歓迎です。



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