2012年9月のクイズ


〔QUIZ NIGHT!〕
●先日、当地に来てからの念願であった、バーで行われる"QUIZ NIGHT"への参加を果たした。
●"QUIZ NIGHT"は通常テーブル毎に競い合われるものなので、一人で乗り込むというのには違和感があり(酒がそれほど好きでない私は、そもそも一人でバーに入ったことがない)、といって当地の日本人で同じ趣味を持つ人はいないし・・・ということでこの2年間参加をためらっていた。
●しかし、日本人会のイベントでクイズを出題するといった活動のおかげで私の趣味が浸透したこともあり、以前たまたま入ったバーで"QUIZ NIGHT"に遭遇したという知り合いの日本人に誘われる形で挑戦する運びとなった。

●場所はオフィスの近くにあるホテル内のスポーツバー。"QUIZ NIGHT"は毎週月曜日の20時から開催されている。我々日本人3人は19時に入店。テーブルはそこそこ埋まっており、空いているテーブルにもよく見ると"RESERVED"の札が置かれているものがある。客の大半は白人男女であり、当地でこんなに欧米人の多い空間に遭遇するのは初めてだった。
●しばし食事とビールを楽しむ(当地でもホテル内では普通にお酒を飲むことができます)。いつの間にか、店内のステージに大きな模造紙が貼り出されており、"QUIZ NIGHT"に参加するテーブルがチーム名を書き込んでいる。特に参加料などは発生しない様子。
●我々も"SAMURAI"とベタなチーム名を記入。チーム名記入欄のヨコにはマス目が並んでおり、各チームはそのうち1つに"J"と記入している。要するに、ラウンドがいくつかあり、そのうち1つを"JOKERラウンド(ポイントが2倍になるラウンド)"に指定するということだ。ただし、この時点ではジャンルは発表されていない。
●適当に"J"を記入し、解答用紙を受け取る。通常ラウンドは6つで、各10問。映像ラウンドが20問、音楽ラウンドが20問ということがわかる。問題は読み上げで、解答は記入ということだろう。予想通りとはいえ、非ネイティブには厳しい形式だ。

●20時。いつの間にか"RESERVED"のテーブルも埋まり、店内は満員。そして、どこからか現れたヘッドセットマイクを装着した小太りの白人男性が、何やらしゃべり始める。この人がいわゆるクイズマスター(司会者兼出題者)だ。簡単なルール説明、今日のジャンル発表のあと、早速クイズが開始される。第1ラウンドのジャンルは"Famous People"。
●幸いにもクイズマスターの英語は聞き取りやすい。ただ、「Earlと結婚すると、得られる爵位は?(答:Countess)」といったイギリス色全開の問題が含まれているのに苦しむ。
「テディ・ベアの名の由来となった、アメリカ大統領は?」。おっ、待望のベタ問題!と喜んだのもつかの間、この人の名前を英語で正しく書ける自信が全くないことに気づく。採点方法が不明だが、厳しくチェックされると困るなあと思いつつ"Theodole Roosebelt"と記入(正しくはTheodore Roosevert)。
●クイズマスターは店内を歩き回りながら、良いテンポ(携帯電話に関する注意は無かったと思うが、もし使おうとしても間に合わないくらいのスピード)で10問を出題。客のリクエストに応じ、いくつかの問題を再度読み上げた後、解答発表に移る。

●採点は近くのテーブルと解答用紙を交換して行うことがわかる。隣のテーブルの黒人女性(国籍不明)と用紙を交換。解答もテンポ良く読み上げられ、その後、採点したチームの得点(1問正解=1ポイント)を模造紙に記入する。
●採点者がスペリングに厳しくなかったおかげか、上記の"Theodole Roosebelt"や"Chaptain Cook"(「クック」の綴りに気を取られ過ぎた結果の超凡ミス)まで正解にしてもらい、チームSAMURAIは4ポイント獲得。全体(12チームくらい)ではかなり下の方。ラウンドトップのテーブルにはビールがプレゼントされた。"JOKER"をうまく使えばラウンドトップの可能性は各チームにあるということだ。

●第2ラウンドは"Pop Music"。洋楽は得意ジャンルなので、何とか3ポイントをゲット。
●全般的にスペリングには厳格でないということは、「世界的に人気のデュオ"ユーリズミックス"の正しい綴りを書いて下さい(答:EURYTHMICS)」という問題があったことで逆説的に明らかになった。これ以降、スペリングはあまり気にしなくなる。
「これまでのナンバーワンヒットのうち、歌詞に( 1 )という言葉が出てくるものは2つだけ。そのうち1つを答えて下さい」という問題はなかなか秀逸。すぐに"Bohemian Rhapsody"が頭に浮かび正解となったが、もう1つの曲"A Whiter Shade of Pale(邦題「青い影」)"は解答が発表されるまで出てこなかった。

●第3ラウンドは"Film"。我々3人の中に映画好きはおらず、解答欄を埋めることすらできない。
●最後の問題「アーノルド・シュワルツェネッガーが演じた役を( 2 )が務めたリメイク版がこのほど上映されて話題の作品は何?(答:Total Recall)」に対し、苦し紛れに"Kindergarten Cop"と書くのが精一杯。残念ながら0ポイント。模造紙内に、他に「0」は見当たらない・・・。

●ここで映像ラウンドが行われる。店内のテレビ全てに(スポーツバーなので、あちこちに設置されている)、20の人やモノ、地図が次々と映し出される。1問正解すれば0.5ポイント、共通のテーマがわかれば3ポイントが追加される。
●地名問題で力を合わせ正解できたが、人名はサッパリ。「ガガーリン」を「アームストロング」、「ゲーリー・プレイヤー」を「ボビー・ジョーンズ」と答えてしまう。モノもイギリスのTV局、イングランドのフットボールチームといった馴染みのないものばかりで撃沈。共通テーマ(「1961年」:ガガーリンは地球1周、ゲーリー・プレイヤーはマスターズ優勝の年)もわからず、2点に終わる。

●クイズマスターから新たな紙が配られる。進行途中のゲームから独立した「スペシャルラウンド」が行われるようだ。
●紙には「100人に聞きました」的な問題(例:「片目で覗くものといったら何?」)が4問書かれている。「それぞれの上位4つの解答を書けるだけ書いて下さい。正解が最多のチームにビールをプレゼント、ただし1つでも5位以下の解答を書いた場合は失格」との説明がある。結局全てのチームが失格となってしまった。

●スペシャルラウンドも終わり、いよいよ後半戦。(通常ラウンドの)第4ラウンドは、我々が"JOKER"をセットしているが、テーマは"Animal"。馴染みのない固有名詞が出まくるジャンルである。恐れていた通り「"Ursid"といえば、どんな動物の仲間の総称?(答:Bear)」といった問題にお手上げ状態。
●そんな中、「哺乳類の中では、ゾウが2番目に長く、人間が1番長いものは何?」という問題に、ゾウの鼻から発想が入ってしまったため"Tongue"と答えてしまう。冷静に考えれば、答は"Life Span"だろうに。
●さらに、「"Cougar"、"American ( 3 )"という別名でも知られる動物は何?(答:Puma)」という問題で、せっかく正解を書いていたのに解答時間終了直前に"Panther"へと書き直してしまう。結局このラウンドは1問正解の2ポイント。
●後で調べると、Pumaは北米ではPantherとも呼ばれるようなのだが、今更そんなことを言ってもしょうがない。

●第5ラウンドの"Musical"は苦手ジャンルで1ポイント、第6ラウンドの"Food & Drink"も馴染みのない固有名詞が出まくりジャンルで2ポイントと苦戦。
●第6ラウンドの「引っかけ」系問題だった( 4 )の原料は何?(答:Petrol/Gasoline)」に正解できたのが後半唯一の見せ場か。

●全体の最終ラウンドとなる音楽ラウンドは、イントロクイズ。ある年の全英ヒット10曲の曲名+歌手名(各0.5ポイント)を答え、その年を当てれば2ポイント追加。洋楽は好きだが、1980年の全英ヒットは1曲も答えられず、"QUIZ NIGHT"は終了。各ラウンドの合計得点の上位チームが発表され、1位のチームにはホテルのバーやレストランで使えるクーポン券が授与されていたようだ。

●気付けば22時。あっという間の2時間だった。久々に脳が痺れるクイズを堪能させてもらった。誘って頂いた知り合いにあらためて感謝。
●近くのテーブルの集団は、賞品のビールを我々にお裾分けして去っていった。見ると、3割くらいのテーブルが空席となっている。きっと"QUIZ NIGHT"の常連客は少なくないのだろう。
●毎週クイズを楽しめる場がある、毎週クイズを楽しむ人がいる、そんな環境をうらやましく思う。そして常連(クイズマスター含め)が他の人達を排除する雰囲気が全くなかったのが嬉しい。クイズマスターは「内輪ネタ」に走らず、常連だからといってヤジを飛ばすこともなく、若干「限定の甘い」クイズ問題を楽しむ。スペリングに厳格にならず、採点間違いにも目くじらを立てず、参加者全体がテンポの良い進行で楽しい空間を作ることに協力している。理想の環境がそこにはあった。

●解答者としては、もう少し正解できたなぁ、と悔いが残る。「ネイティブ・アメリカンのヒーローであるジェロニモの属していた部族は何?(答:Apache)」とか「シェークスピアの"( 5 )"をベースとした、1948年初演のミュージカルは何?(答:Kiss Me Kate)」といった問題に正解できなかったのは我ながら情けない。英語力とクイズ力を磨いて、また挑戦したいと思う。
●というわけで、"QUIZ NIGHT"にご興味のある方(私と面識のある方に限り)、アブダビにお越しの際は是非声をかけて下さい。映画好きの帰国子女大歓迎です。


Q.( 1 )に当てはまる単語を英語で答えよ。なお、多少のスペルミスがあっても正解とする。
A.Fandango
スペイン・アンダルシア地方の民俗舞踊。

Q.( 2 )に当てはまる人名を英語で答えよ。なお、多少のスペルミスがあっても正解とする。
A.Colin Farrell
1976年生まれのアイルランド人俳優。

Q.( 3 )に当てはまる単語を英語で答えよ。なお、多少のスペルミスがあっても正解とする。
A.Lion
"Mountain Lion"という別名もある。

Q.( 4 )に当てはまる言葉(2語)を英語で答えよ。なお、多少のスペルミスがあっても正解とする。
A.Molotov cocktail
「火炎瓶」のこと。中東民主化がらみの新聞記事でよく目にするため、知っていた。

Q.( 5 )に当てはまる作品名を英語の原題で答えよ。なお、多少のスペルミスがあっても正解とする。
A.The Taming of the Shrew
邦題は「じゃじゃ馬ならし」。






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