2016年5月のクイズ


〔残った、残った〕
Q.大相撲の四股名といえば、一般的に「ナントカ山(やま)」が多そうなイメージがありますが、今月行われる大相撲夏場所の幕内力士の中で、「ナントカ山(やま)」という四股名なのは1人だけです。誰でしょう?
A.
碧山(あおいやま)
前頭三枚目。ブルガリア出身。十両には里山(さとやま<本名のまま>)と明瀬山(あきせやま)がいるが、幕内には碧山だけ。
●「ナントカ山(ざん)」であれば、前頭五枚目の栃煌山(とちおうざん)、同十一枚目の松鳳山(しょうほうざん)がいる。昔は、「山」を「ざん」と読むのは「惨敗」に通じるので好まれない、とか言われていたような気がするのだが(故に「力道山」はレアケース)・・・。
●ちなみに、本名が「ナントカ山(やま)」の幕内力士は前頭筆頭の宝富士(杉山)と前述の栃煌山(影山)。


〔羊頭「苦肉」〕
●日テレの新しいクイズ番組。特番で何度か放送された頃から、「レギュラー化するには○×クイズだけじゃキツいよな」と思っていたので、2択クイズ全般に幅を広げ、その中でもいろいろなパターンを模索していること自体は何も悪くない。
●ただ、それであれば、「真実か?ウソか?」とか「究極の○×クイズSHOW!!」などと銘打つのはいかがなものか。
●少し前に、「残り1つをひねり出せ!」と銘打って、途中から熟語に共通する漢字の穴埋め問題をやり始めた酷いクイズ特番があって呆れ果てたのだが、どうしてこうも鈍感なんだろうか(例えば「映画学校を舞台に、卒業制作で『忠臣蔵』を撮影する様子を描いたドラマ」があったとして、それを「本格時代劇!」と銘打ったら、ドラマファンはどう思う?)。
●こういう一見小さいことの積み重ねで、「テレビへの不信感」が大きくなっていくもんなんですよ。


〔もしも私に「クイズ1年分」が贈られたら〕
クイズのおっさん「第4問。1963年8月、ビートルズが発表した、4枚目のシングルのタイトルは?」
私「・・・・・・・・・。いや、この流れだから"She Loves You"って答が正解なんだろうけど、『イギリスでの』だよね?」
クイズのおっさん「???」
私「ビートルズって、特に初期はイギリス盤とアメリカ盤でリリースの時期や内容が異なってるの。確か"She Loves You"はアメリカでは1963年9月にリリースされていて、アメリカ国内で発売された彼らのシングルとしては3番目になるはず。」
クイズのおっさん「!?」
私「他にも日本を含めた各国で独自のレコードが発売されてるから、ビートルズに関しては『何枚目のシングル』っていうのは、限定には使わない方がいいんだよ。」
クイズのおっさん「・・・」
私「『1963年8月発表』で限定できているという見方もできなくはないけど、例えばリアルタイムでビートルズを追いかけてきた年配の方が聞いたら『あれ?ビートルズの4枚目のシングルが出たのって1964年じゃなかったっけ?』と思ってしまうかも知れない。日本ではそうだからね。やっぱり疑義が生まれるような問題文はダメだよ。」
クイズのおっさん「・・・・・・」
私「だから『1963年8月、ビートルズが発表した、イギリスでの4枚目のシングルのタイトルは?』とか、それと同義になる『1963年8月、ビートルズが発表した、4枚目のオリジナル・シングルのタイトルは?』にすべき。あるいは『1963年8月、ビートルズが4枚目のシングルとして発表した曲のタイトルは何?』ならギリギリ限定できているかな。ちょっとした違いだけど大違いだね。」
クイズのおっさん「・・・・・・・・・」
私「ま、誰が作った問題か知らないけど、プロを名乗っている人が作ってるんだったら、ちゃんと抜かりの無い『プロの仕事』をして欲しいよね。というわけで、出直してきて。」
〜ガチャン(扉を閉める音)〜
クイズのおっさん「・・・・・・・・・・・・・・・(涙)」

・・・おっさんとの友情は芽生えそうにありません。

しかし、限定したつもりが、かえって混乱を生んでしまったのであれば、まさに「世にも奇妙な物語」ですな。



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