●早いものでサウジでの生活も2年目に入った。留学はおろか、海外旅行の経験もほとんど無かった私が、英語を使う生活を1年間続けたことになる。
●もちろん、日本人の中で仕事をしているから日本語を使う時間の方が多いし、インターネットやNHKも見れる。それに、こっちの人も英語が母国語というわけではないので、お互いに片言で理解し合う状態になることも少なくない。
●そんなわけで、お世辞にも「1年間でみるみる英語が上達!」という感じにはなっていない。この前も、空港のチェックインカウンターで、“( 1 ),OK?”と言った係員に対し、「何でお前がワシの席に座ろうとしてんねん」と一瞬思ってしまったし・・・。
●こちらで英語を使おうとすると、イギリスやアメリカで英語を使うのとは違った戸惑いが出てくる。
●フランス語では「H」を発音しないため、フランス人は「ハ行」の発音が苦手であるという。アラビア語圏の人々は、「( 2 )行」の発音が苦手だ。アラビア語には「( 2 )行」が存在しないためである。だから、そのことを頭に入れて彼らの英語を聞かなければならない。
●また、イギリスとアメリカの文化・習慣が入り乱れている部分がある。イギリスにいれば「英語」、アメリカなら「米語」に頭を切り替えれば良い話だが、サウジの場合( 3 )だったりするので非常にややこしい。
●いずれにせよ、学校で習ったのとは違う「生きた英語」に触れる生活ができていることは、とても貴重な経験である。
●例えば、( 4 )って単語がこんなに( 4 )だとは思わなかった。電話で誰かと話をしたい時やアポを取る時、何かを使いたい時などなど・・・まさに( 4 )だ。
●あと、新聞の見出しで“QUIZ”って単語が結構出てくる。こういう人間なので「どっかでクイズ大会でもやるのか?」と思ってついつい目が行ってしまうのだが、大半は( 5 )という意味で使われている。
●英語を使う生活もあと2年弱。もっといろいろな発見を重ね、少しは上達もして帰りたいと思う。
Q1.( 1 )には何が入るか(2語)。
A1.Aisle seat
●「通路側の席でよろしいですか」という質問が、“I'll sit,OK?”に聞こえたというわけ。
Q2.( 2 )に適切なカタカナを入れよ。
A2.パ
●アラビア語には“P”を示す文字が無く、英語の“P”は“B”になりがちである。例えば“English,please.”という言葉は、今回のテーマのように聞こえる(気づいてましたか?)。
●“P”は英語の中に意外と出てくるので、彼らの「バ行」を頭の中で「パ行」に置き換える(または置き換えない)作業が必要になる。
Q3.( 3 )に入るのはア. イ. のどちらか。
ア.「昇降機」を“Elevator”と呼ぶのに、日本の「1階」にあたる部分が“Ground
Floor”
イ.「昇降機」を“Lift”と呼ぶのに、日本の「1階」にあたる部分が“First
Floor”
A3.ア
●他にも右側通行(アメリカ式)なのに、「円形交差点」を“Roundabout”(米語では“Rotary”)と呼んだりする。
Q4.( 4 )に入る英単語は何か(9文字)。
A4.available
●辞書には、「役に立つ」「利用できる」「入手できる」といった意味だと書かれているが、もっとラフな感じで「空いてる?」「使える?」「大丈夫?」といったニュアンスで使えるような気がする。
Q5.( 5 )に適切な日本語を入れよ。
A5.尋問する
●名詞ではなく、動詞。上の例だと、「警官に関するクイズが4問」ではなく、「警官が4人を尋問」という意味(“QUIZ”が活用していないので、“police”は複数扱いだということがわかる)。
●こちらは正真正銘、名詞としての“QUIZ”。英字紙に毎日、クイズが掲載されている。日本語のクイズでは得られない刺激や情報の泉。
フリートーク
●イラク戦争直前にリヤドに到着して1年。早いものだ。
●1周年の日はサウジではなく、バーレーンで迎えた。サッカー五輪予選の視聴率が60%という報道があったので、日本に代表の座を奪われたことに腹を立てているのではと思ったが、そういう感じでもなかった(代表になってたら大騒ぎしていたのかも知れないが)。
●NHKでも五輪がらみのニュースが多いが、女子マラソンの選考に関して延々時間を割いていたのには閉口。
●五輪は正直言ってどうでもいい。もともとそんなに興味は無いし、海外では国際映像しか見れないから(NHKのニュースでも五輪がらみの映像はカットされる。これは世界陸上や世界柔道でもそうだった)。
●さて、こちらも早いもので、このHPも6年目に突入。
●過去の問題や文章を見てみると、自分のやってきたことは間違っていなかった、とあらためて思えてくる。その時点で最も必要なことを訴え、かつ実践してきた記録がこのHPである。
●1年間続けてきた「サウジアラビア編」のコンセプトは、ズバリ「ノンフィクション」だ。
●これまでも「面白い」と感じたことを問題にしてきたわけで、その点では「フィクション」ではないのだが、折角珍しい経験をしているのだから、実際に見たり聞いたり、言われたりした上で感じたことを問題にすることを意識している。
●ただ、1年生活していると、珍しさは薄れていき「日常」と化してしまう。また、その間にも通常のクイズ問題を作成し続けてきた。というわけで、今後は「サウジアラビア編」と「通常編」を、先に完成した方から掲載していくことになると思います。引き続きよろしくお願いします。